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ひとつひとつ、丁寧に丁寧に。やがて透けゆく人間関係

「東京プレイガールズ」

東京プレイガールズ、通称プレガは、二宮佐和子さんと谷奈津美さんの
ふたりからなるデザインユニットです。

ふたりのびっくりするくらいの自己顕示欲の無さと、あまりにも引っ込み
思案なキャラクターそのままに、叙情的でどこかはかなげなデザインが得意。
www.rinjazz.com のデザインは、東京プレイガールズの多大な協力のもとに
成り立っています。

そんなふたりに、最近ふたつの大きな出来事がありました。それは、
イラストレーターやフォトグラファー、ほか数名のデザイナーに
よって立ち上げられたデザインチーム「Half Tone」への参加。そして…

いろんな幸運が重なって始まった、世田谷のマンションでの共同生活。

「人間関係」第一回目は、このマンションで、プレガの淹れてくれた
おいしいコーヒーを飲みながら、のんびりと収録しました。



川島イタル(以下 I)
 :(DM用の Half Tone のパンフレットをめくりながら)
  これ、いいねえ。最高だよ。 みなさん本当にプロね。

谷奈津美(なっちゃん/以下N)
 :まだ何にも仕事してないけど…

I :どういうふうに、営業のDMだすの?

N:デザイン会社とか、大手出版社とか、カメラマンの方がもうすでに
  営業に回ってらっしゃるんですよ。クライアントで大きいところ、
  いろいろ知っているらしくって。

I :デザイン会社は、デザインが仕事なのに、さらにそれを孫請けにだすの?

N:手がまわんないことがあるらしいんです。そこに入り込めればって言ってた。

I :一番いいのは、雑誌に強いコネクションができることでしょ?

N:そうそう…

二宮佐和子(さわちゃん/以下S)
 :カメラマンの人は有名な人だし、有名って言うかプロだから…

N:でもあたし達も、あとちょっとでどうにかなんないと 実家に連れかえされる。

S:(笑)

I :なんで? ふたりとも?

S:あたしはないけど、さわちゃんが…

S:25才になっても今と同じことしてたら、帰ってきなさいって。

I :そんなの「ふん」って感じじゃん。

S:う〜ん…

I :親が大切なのね。あんまり逆らえないの?

S:そういうふうに言って、尻をたたかれて… うん…そういう感じ。

N:うち、何にもいわれないよね。

S:うん

I :でもさあ、わけわかんないよね。 だって… ゴメン、どこだっけ実家?

N:宮崎

S:福岡

I :宮崎、僕も宮崎だっていったよね?

N:そうそう、あの… コピーかわしま!

I :そうそうそうそう(笑)

S:え〜何それ!

I :あるんだよそういうのが

N:宮崎神宮の近くにね、川島さんのお父さんの実家が…

I :まだね、名前変わってないらしいよ。

N:じゃあ、コピーかわしま?

I :コピーかわしま。

S:コピー屋さん?

I :コピー屋さん。

S&N:へえ〜

S:宮崎神宮ってどこ?

N:宮崎神宮っていうでっかい神社があるんだけど、
  私はまだ行ったことがない。近所の神社しか行かなかったなー。

I :そこの遺伝子を受け継いでるわけですよ。

S:へえ〜、生まれたのは?

I :生まれたのは鳥取で…

S:あ、そっか。意外だ…

N:あたしもびっくりした…


谷奈津美 二宮佐和子

I :話を戻すけど、両親から見てさ、自分の娘が遠く離れた東京行って?
  専門学校行ったのも、そこで何をやってるのかよくわからないし、
  もっとよくわからないイベント? とかいうのもやってるらしい…
  何それって思うよね。で今度は、そういうデザイングループに誘われて…

 注:イベントとは、リンリンジャズキッチンと東京プレイガールズが
   出会ったクラブイベント Setagaya Cookin' のこと。プレガはこの
   イベントのフライヤーデザイン担当だった。

S&N:うん、うん

I :それで、今はふたりでマンションに住んでるらしいわよ…
  何それ!? って思うよね。

N:そうそう

I :わっかんないよね〜

N:うん、わかんない。

I :意味不明だよね。

S&N:(笑)

I :デザインで食えるっていうのもさ、多分、イナカの人って単純だから
  こう、画家さん?みたいなイメージだと思うのね?

S&N:うん…

I :要するにその、絵を売って… 作品として、つまり名前の出る作品で食える、
  そういうイメージのような気がする。

S&N:そうそう。

I :でも実際はいろんなところに仕事があってとか、たぶんわかってないよね?

N:うちのお母さんとか、わかってなさそうだな。
  でも、ウチの実家が仕出し店さんで、ちっちゃい割烹料理屋みたいなの
  お父さんとお母さんふたりでやってて、そこの名刺とかちょこちょこデザイン
  させてもらってるから、それからちょっと分かってきたかも…

I :ふーん

N:インターネットも… 恐らくみたことがない。

I :ああ… どこだよみたいな

S:(笑)

N:おとうさん、あたし達のホームページをケータイで見ようとしたひと。
  ケータイでみたら、「なんか×マークがでるよ」って言って。
  そりゃでるなあと思って。

  お母さんの友達が、あたし達のホームページをみて、お母さんに
  「こういうことが書いてあったよ」って言って、お母さんがあたしに
  電話してきて「なんて書いてるの?」っていうのはよくある。

I :でも、必要ないもんね。

N:必要なさそう。時間がないって言ってた。
  インターネットとか、始められるけど、見るヒマはないって言ってた。

S:うん… 見るヒマ… そうだよね。

N:忙しいもんねウチね。

I :繁盛してるんだ。

N:うん、面白いことをやっている。

I :何やってるの?

N:ずっと代々、仕出し店をやってきていて、そこをお父さんは継いだんだけど、
  お父さんのお友達に酒造の社長さんがいて…

  で、その人が食事会を開きたい、というときに、ウチがちょうど
  家を新しく建て替えた所で、畳のお部屋が結構きれいなんですよ、
  だからそこで、お食事会できるように、コースみたいなの出してって頼まれて。

  そしたら、そこで料理がすごく気に入ってもらえて、それから「こういうのが
  あるらしいよ」みたいな感じで、(割烹料理屋を)ずっと口コミで続けてる。

I :それがきっかけなの? 

N:そう、だから割烹を始めると思ってなかった。

I :そうなんだ、割烹やろうと思ってたわけじゃないんだ。

N:そう。でも、いいですよ〜。いろんなお客さんがくるから楽しいし、
  下駄職人さんが来たりとかして、下駄をプレゼントでもらったら今度は
  ウチがお魚を送り返すとか、そんな感じ。

S:予約がなかなかとれないんだよね。

I :そうなんだ

N:うん、いちにち一組だし…

I :(笑)

S:いちにち、コース料理を、畳の部屋で一組。

I :本当に? あれじゃないのそのうち… 日曜日にテレ朝でやってる、
  「人生の楽園」に出ちゃうんじゃないの? 知ってる?

S&N:知らない。

I :あの…スゴイ番組があるんですよ。すごい良いんだけど、だからって
  オレはどうしたらいいんだという、そういう番組。登場する人たちが
  「とにかく、今幸せです」という番組。

S&N:へえ〜(笑)

I :まあ、登場する人の年齢は基本的に50ぐらい。

N:ああ、父さんといっしょだ。

I :50ぐらいで、仕事もノリにノッてるし、その世界では有名で…

S&N:ふーん

I :こないだはね、那須高原に古民家を移築した建築家で、そこに古い民家を
  移築して、そこで自分の料理を出して、いちにち4組までとかいって、
  週のうち5日はそっちに居て、残りを東京で建築の仕事してますという…
  そういう、うわ〜良いなあ!というのを見せる番組。

N:すご〜、なんやろ!

S:へえ〜

I :そういうキャラがいっぱい出てくる。とりあえず、なんかもう、人生のゴール、
  これがゴールです。というのを見せる。

N:ウチはまだゴールじゃないなあ。

I :しかも、お金持ちって言うんじゃなくて、本当の豊かさ? そういうゴール。

S&N:ああ〜(ため息)

I :人生の楽園、すごいでしょ。

S:題名からして。

I :ホント見るとね、見ちゃうんだよ、うわ〜良いなあ! と思って。

N:お母さんとか、あんまりわかってないかもなー。
  今の仕事の良さっていうのが。世間知らずなところがあるし、
  そこがいいと思うけど。


※本人達とは、別人です

 …ここで、さわちゃんの携帯が鳴ったので収録は中断。
 どうやらデザインチーム Half Tone の人からのよう。

 営業活動の打ち合わせをしているらしい。30分ほどでかかって終了…


N:なんて?

S:水曜日、10時半に新宿で… 10軒まわるって…

N:本当に!

S:こわいよう…

N:本当!いきたいなあ!

S:リュックで行こうっと。パンフレットいっぱいもっていくから、でっかいカバンで。

N:うんうん

I :10軒をどういうふうにまわるのかねえ?

S:なんか、最初は飛び込みらしいんですけど、まあアポは取っておくって。

I :まあでも、そうやって売り込んでいかないと食えないからねえ…

N:そう、あたし達(営業)苦手だから…
  でも「たのしいよ!」っていってたね。

S:ね、そのひともあんまりしゃべるのが得意じゃないから、
  最初は難しかったみたいだけど。

N:うん、しゃべんないほうがいいっていってたね。しゃべんなくても
  作品みせればもうそれで済むっていってたから。

S:うん、あんまりしゃべりがうまいと逆に…

I :いや、でもしゃべり上手いほうがいいよう。あ、でも女の子はそうじゃないのかなあ。

N:自分の作品を、説明するのがうまいといいんですけどねえ。

  でっかい会社だと営業がいて、デザイナーがいて、デザイナーのかわりに
  営業が売り込みにまわるらしくって、そうすると話ばっかりうまくって、ちゃんと
  自分の作品のこととか伝わらなくって、すごいイヤだったって言ってました。

  でもそれはそうですよね。ヒトの作品の説明はむずかしそう…

  あら、さわちゃんコーヒーが冷えました…

S:あ、ハイ、すいません



「人間関係」第1回目はこれで終わりです。
東京プレイガールズに、ありがとうと感謝のリンクを捧げます。

( 04'/03/17 )